基本ルール
自動車税の基本的ルールについてご説明します。もちろん、基本なので、自動車税のイロハを学ぶための最小限の知識なのでご了承ください。
- 毎年、4月1日時点の所有者が支払う義務がある。
※ 売却したという事実だけでなく、名義変更まで済ませておく必要がある。
- 税額は、排気量や車種によりバラバラです。また、同じ車でも登録年で変わるケースもあります。
グリーン化税制(軽減)
環境負荷の小さい自動車を購入した場合、初めて新規登録を受けた自動車の翌年度1年度の間だけ、税率が50%または25%軽減されます。
グリーン化税制(重税)
初めて新規登録を受けてから13年を経過したガソリン車・ハイブリッド車・LPG車(ディーゼル車については11年)
- 自動車税には分納や還付の制度がある。
※自動車を廃車(抹消登録)した場合、抹消の翌月以降の自動車税が戻ってきます。
- 軽自動車税は都道府県税である。
※税金には国税・県税・市税があります。窓口は都道府県の自動車税事務所になります。
- 軽自動車と異なり、ナンバー等の発行元は自動車検査登録事務所のみである。
※当サイトのトップページを見ていただけると、各運輸支局の管轄と場所を、お住まいの市区町村ごとにまとめたサイトがございます。
- 軽自動車のように生活保護の減免はないが、障害者の方、または構造上身体障害者が利用する車両(車検証に記載があるもの)の場合は、自動車税の減免が受けられます。また、公益法人や通園バス等も減免を受けることができます。
※障害者の減免に関しては、本サイトの下部をご覧ください。
自動車税の還付とは?
自動車を使っていない月数分を戻してくれる制度です。自動車を使っていないことを示すために抹消登録が必要になります。例えば、7月に車を抹消登録した場合、自動車を使わない月は8月・9月・10月・11月・12月・1月・2月・3月の8ヶ月間になり、5月頃に納税した金額の2/3が戻ってくるシステムです。仮に39,500円の自動車税を納税したなら、26,300円も戻ってくるんです。
ただし、名義変更をした場合には、還付の制度は利用できません。譲受人とどのような取り決めをしたのかが鍵となります。
廃車した・譲渡した・盗難にあった場合
自動車税は、名義変更・抹消登録をしない限り、その車両に永遠に課税されてしまいます。
- 廃車した
- 抹消登録手続きをした場合に税金はとまります。しかし、4月1日以降にこの手続きをしても、その年度の分は課税されてしまいますのでご注意ください。
- 譲渡した
- 名義変更を管轄の自動車検査登録事務所にしたものが、自動車税申告書を提出した場合に税金は次の所有者に次回の4月1日に課税となります。同じく、4月1日以降に手続きをしても、その年度の分は全額課税されますのでご注意ください。
- 盗難にあった
- 車両自体がなくなってしまうと、税金の事・車両の登録の事ともにおざなりになりがちですが、盗難の届出をしても警察は税金もとめてくれませんし、車両の登録も抹消してくれません。管轄の自動車検査登録事務所に連絡をして、車両の抹消登録をし、税金を止めましょう。
※管轄のナンバー発行元によっては、盗難届を出した日を抹消日とみなしてくれる場合もあります。3月末に車両がなくなった場合は早めに、3月中に盗難届を出しましょう。抹消が4月でも課税されない可能性があります。
買取店・中古車屋さんの自動車税の騙しの手口
4月1日の課税日ルールを一般の方が知らないことをいいことに、ユーザーを騙す買取店・中古車販売店もいるのでご注意ください。
- 事例1.
3月中に車両は買い取るが、名義変更自体を4月にして、当該年度の自動車税を売却したユーザーに支払わせるトリック
(説明)売却したユーザーは自動車税1年度分を支払うことになり、逆にその車両を買ったユーザーは自動車税1年度分を支払う必要がなくなるので、買取店・中古車店には一回で2度美味しい手口。ただし、消費者の無知を食い物にしているので消費者契約法で無効主張しましょう。
- 事例2.
廃品回収業者に車両を持っていってもらったが、自動車税の納税通知書が届いて軽自動車税の支払義務が発生してしまった。
(説明)廃車と抹消登録は別物と考えてください、確かに廃品回収業者は鉄や部品として、その車両を廃棄します。ただし、抹消登録は鉄や部品の流れとは別です、役所に行かなくてはなりません。必ず登録までしてくれるかどうかを確認して、「抹消登録証明書の写し」もらって確認しましょう。
- 事例3.
無料引き取りで、廃車だと思っていたら自動車税も重量税も戻ってこないケース
(説明)最近多いのが、この手口です。無料で引き取りますよと言う言葉につられ、車を渡してしまうと自動車税も重量税も戻ってきません。自動車税と重量税が戻ってくるのは、抹消登録をした場合です(未経過分が戻ってくるので結構な金額になります)。「引き取る=名義変更する場合も抹消登録する場合もある」なんです。必ず、無料で渡したほうがいいか、抹消登録にして税金の戻しを手にしたほうが良いか比べて判断をするのが得策です。
コラム:納税通知書の中に説明書きが入っている理由をご存知ですか?
5・6月になると自動車税の納税通知書が届くのですが、その書類に、「自動車税の説明書き」が同封されてきます。これは、上記事例のような内容で、納税通知書の送り主である都道府県に問い合わせの電話が膨大に入ってくるので、それを防ぐために、「このようなケースならここに電話してください」という意味合いで同封されてきます。実際に事例のような事があるのかな?とお思いでしょうが、意外にも被害を受けた方は、身近に結構いるはずです。
自動車税の豆知識
知っておくと得する自動車税の豆知識です。
- 自動車税の還付の方法は還付の通知書のみ?
通常自動車税の未経過分の戻しは還付の通知書を郵送にて受取、通知書を金融機関に持っていくことによって還付を受けることができます。ただ、日本国内にいなかったり、面倒くさい場合もありますよね?その場合、自動車税事務所によっては事前に届出を出しておくことによって、口座に戻してくれる自治体もあります。自治体に確認を取ってみましょう。
- 自動車税の還付までに2ヶ月かかると言われたが?
役所の経由で手続きをすると、2ヶ月かかるのは事実です。ただし、買取店や中古車屋さんに車を売却したのなら、「還付の委任状」で手続きをしてもらいましょう。「還付の委任状」を書くことで、自動車税を受け取る権利を買取店や中古車屋さんに渡すので、車両代と一緒に未経過分の自動車税も渡してもらうのです。なお、印鑑証明が一通必要になるのでご留意ください。
障害者減免について
通常、各都道府県内に居住する障害者の通院、通学、通所、生業のために使用する自動車(個人名義の自家用自動車に限る)で一定の要件を満たすものは、申請することにより一台に限り、自動車税の減免を受けることができます。
- 減免できる自動車
自動車の所有者
(納税義務者) |
自動車の運転者 |
障害者本人 |
障害者本人 |
障害者と同一生計の方 |
障害者と同一生計の方 |
障害者本人 |
障害者と同一生計の方 |
障害者のみで構成されている世帯の障害者 |
障害者を常時介護する方 |
なお、同一生計の意味が各都道府県により異なる場合がある(例えば、東京では2km以内に住む親族)のでお住まいの都道府県自動車税事務所にご確認ください。
- 減免の対象となる障害の区分及び級
適用できる級に関して、都道府県で若干異なるので、確認が必要です。下記は一般的な区分です。
手帳の種類及び障害の区分 |
障害の級別 |
身
体
障
害
者
手
帳 |
心臓、じん臓、呼吸器、小腸、ぼうこう又は直腸 |
1級、3級 |
体幹 |
1級〜3級、5級 |
聴覚 |
2級、3級 |
視覚 |
1級〜3級、4級の1(4級のうち両眼の視力の和が0.09〜0.12) |
音声又は言語機能 |
3級(こう頭が摘出された場合に限る) |
平衡機能 |
3級 |
上肢 |
1級、2級 |
下肢 |
1級〜6級 |
乳幼児期以前の非進行性脳病変による運動機能 |
上肢 |
1級、2級 |
|
移動 |
1級〜6級 |
ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能、肝臓 |
1級から3級 |
|
戦傷病者手帳 |
身体障害者手帳の減免の範囲に準じます |
療育手帳 |
○A又はA |
精神障害者保健福祉手帳 |
1級で、かつ精神通院医療を受けている方 |
※障害名が半身不随の場合、または複数の障害がある場合には、障害の区分ごとの級を確認されます
- 減免される税額
- 申請場所・期限